あの時好きな気持ちは本物だったと思えるしあわせ

今となってはなにがどうしてどこがそうも良かったのかさっぱり解らないのだけど、とにかく当時・・それこそ小学校から高校まで学生時代の全てをかけて好きだった人がいたんです。出来る限り姿が観たくって、声が聞きたくって、授業そっちのけで下敷きとして利用してたクリアシートに挟んだ写真とかの配置を変えてたり、放課後に絶対に伝わらないと解っていてもどうにもならない想いを話しながら泣けてきたりというオカシさで、もう両3クラスぶんの人が知ってるくらい。思い返してもその人意外に、その人の事を思うように誰かを考えたり泣いたりしたことはありませんでした。そのくらいその人の事はほんとに好きで好きで仕方なくって、どうかしてたんです。それがある日あまりにも好きすぎて突然ぱっつり目が覚めたように気持ちが冷めてしまったのです。そうなるとその頃の自分が他人事みたいに感じられて、なんであんなのがよかったんだろうかと不思議で仕方なかったんですけど、ある時ふっと当時のその人の姿を観た時に不思議とああ私のあの時の気持ちは本物だった、と思えたんです。それがなんだかそう思ったとたんにほんわり幸せな気分になれたりして、かといってまた好きになろうとは全くもって思わなくって、ただただそのくらい好きになれた人がいた自分っていいなあかわいかったなあ、というトンチキな自賛をしてみるのでした。気が付いたら自分が彼について一番好きだった頃の、彼の歳を3つも越えていてちょっと脱力しました。