得るために失うものなど

記憶に残るマジシャンというと、”閉じ込められたプレハブ小屋が炎にまかれ大爆発する前に脱出する段取りのはずが脱出口を塞がれていて発狂するマジック”という大技を、かのお化け番組『スター☆ドッキリマル秘報告』でなんなくこなした近藤真彦ことマッチさんのすばらしいテクニックがまずあり、それを”超魔術”としてさらにミスターマリックさんがガラス瓶から500円を通過させ、小室哲哉さんと”全曲ハンドパワー入り”である『Paychic Entertainment Sound』を発売し早々に無かった事にされたのは記憶に新しいところですが、最近その流れをセロさんがクールかつスタイリッシュに受け継いでおりまして、大衆の面前で瞬時にイチゴのかき氷を宇治金時に変えたりしていて、誰からもいつも眠そうですねとかガチャピンに似てるよねとか一言もささやく人が居ないのが不思議でたまらないわけですけども、そのセロさんがいかに身を削る想いをして日夜マジックの特訓をしているかは肩幅とつめの短さをみれば一目瞭然でして、ああ、よっぽどオカルトじみた人でない限り、努力あってこその天才なんだな、努力を忘れたら人間あかんなと思いました。