伝説の人形劇を知っていますか

先週から実はなんとなく気分が優れません。頭をかすめるある曲と映像のせいです。それはNHKで大絶賛放映中のこどもにんぎょう劇場での『パンを踏んだ娘』という作品。人形劇といっても影絵のような作りなんですけども、その白と黒のエクスタシーが・・・。


内容はもともと貧しい家の子なのに、外見がよいからとお金持ちの家に引き取られて立派に高慢ちきな娘となったインゲルという主人公が、生みの親にあってあげなさいと育ての親にパンを一斤持たされて、しぶっしぶ、もうしぶっしぶ会いに行くんです。で、道端で産みの親と出くわすんですけど、もう見てらんないぐらい貧しい姿にやんなっちゃって自分が娘だって事を名乗らないで戻ってきちゃうんです。それでも産みの親は後姿だけでもインゲルだと解って追いかけてくるんだけど、振り切って逃げるんです。そうこうしてるうちに大きな水溜りに出くわして、自分の靴を汚したくないインゲルは、水溜りにパンを浮かべてそれを足場に渡ろうとするんですよ。ひどい。インゲルちょうひどい。と、そこで、もの哀しげな声で高らかに歌い上げるBGMが。

パンをー踏んだー娘ー
パンをー踏んだー娘ー
パンをー踏んだー罪でー
地獄にーおーちーるー♪

パンが足場になるはずも無く、水溜りだと思っていたそれは底なしの沼で、インゲルの体はみるみるのまれてゆき後に残ったのはぶくぶくと水面であわ立つ大きな黒い泡ばかりでした・・・。


こ。こわー・・・
とりあえず話はまだ続くんですが、これを朝っぱらからみてしまったんです。今週の頭まで放映していて結局、目が離せなくて最後まで観てしまいお陰さまでこの歳で『NHK教育ものでトラウマ』になってしまったんですけれども、もうお脳に刻まれてしまって楽しい事をしようとするとあの曲の信号を耳に送ってくるので、最近すこしふさぎがちです。


ちなみに仲間はいるだろうか、と作品名で検索をかけてみましたらなんと20年前からこの呪縛は存在していたようです。量産されすぎてもうお腹いっぱいだようてお思いの方はヘタなサイコ映画よりもお脳にクるので、観る機会があれば是非一度、ご覧下さい。