路上演奏する自由があると聴く自由が無くなっちゃう。

井の頭公園なんか週末ともなるとセミプロ?から素人さん?の音あわせまで、ありとあらゆる音楽が溢れてて近所でありながらタダでいろんな音楽に触れられるのがお得だなあ、と思っているのですけど、中にはやはり騒音としか理解できなくてよく思っていない人ももちろんいるわけで、こういう理解の溝を埋めるのはなかなか難しいお話です。


音楽はどこでやりなさい、ということはできないものだし、どこでも存在していて欲しいものなのだけど、そのことで生活を邪魔されてしまう人だっています。まだ私が小学生だった頃、近所で夜10時になるとかずひろ君ちのおねえちゃんが『ランバダ』を大音量でかける、という大問題があって親が何度か町内会の集まりに出て行ったことがありました。おねえちゃん本人は『そんなにうるさいと思わなかった』と言ってたそうです。なんか最近似たような発言ききましたね。


自分が好きな音楽だったら、夜通し演奏されるのは困るけれど、ちょっとは許しちゃうのかもしれない。しかし夜間にいつまでも聴きたく無い音楽を聴かされたら、それは辛いと思う。演奏する方はギターを鳴らし、夜の闇に吼えるほうが盛り上がるんだろうけど、その主張とはまったく別のものが聴き手の胸をかき乱すのです。『うるせえな』と。せっかく表現したいことを表現できるスキルを持っているのに、これではちょっと残念ではないでしょか。


私は近所にいろんなジャンルのミュージシャンさんが、タダで聴ける環境があるのがこの街の良いところだと思うし、一つの立派な顔になってると思います。いま、この街には一応路上演奏を規制する条例はあるようなのだけれど、演奏者に対して取り締まりがゆるいのは『音楽好きの集まる街』であるからだと思うのです。


自分に好意を持っている人に時として甘えすぎてしまう事があるけれど、街が『あの人私が好きだからってちょっと甘えすぎよう』と路上演奏者にそっぽ向いてしまう前に、自分は甘えすぎてないかと気遣える大人でありながら少年の心を忘れず、路上の音楽をなくさないためにできることをしましょう。