きょうの我が家。

実はここ2、3日、旦那さんが新しい職場になってから帰りが遅くなって、そのため私は御飯の用意をすると、娘の寝かしつけで先に寝てしまっていて、旦那さんが帰る頃起きだして機械的に御飯を食べさせ、そのうち起きてる人の気配に気づいて布団から這い出した娘を寝かしつけに一緒に眠って、と旦那さんとろくに話もできないまま次の朝になってしまうというすれ違いな状態が続いておりました。


今朝。
『ねえ、ちょっと一緒に見て欲しいんだけど。』ベランダで煙草を吸っていた旦那さんが声をかけてきましたので、どうしたの、と尋ねましたら『向かいの屋根に猫が倒れてるんだけど。寝てるのかな。・・・まさかと思うけど、ちょっと見てみてよ』と言うのです。向かいの屋根に目をやると、茶色の猫が力なく横たわっています。昨晩から東京は台風の影響でものすごく雨と風が強かったものですから、もしかすると猫でも足元を踏み外して打ちどころ悪く死んでしまったのかもしれません。『困ったなあ。これから毎日目にする事になるよ。どうしよ。ね。』旦那さんは困り顔で言いながら、出勤の準備をはじめました。


私もこれから毎日洗濯でベランダに出るたびに、朽ちていく猫を見ることになるのかと思うと、なんだか憂鬱になりました。でも今日も今日とて洗濯しないとなりません。ベランダに出て見たくないなあと思っても猫のほうに目がいってしまうのは、性というかなんというか。すると死んでいると思っていた茶色の猫が、こちらに背を向けて毛づくろいをしてるではありませんか。


『あ!生きてたんだ!生きてた!』私はベランダだという事を忘れて思わず大きな声を出てしまいました。聞きつけた旦那さんも娘を抱っこしてベランダに出てきて『おおー!なんだよ脅かすなよー猫ー。』と安心したような声をかけます。聞こえているのかいないのか、背を向けたままの猫はこちらを見ることも無く、毛づくろいを終えるとまたぺたりとその場に倒れるようにして寝てしまいました。『あれか!』『あの寝相は勘違いするよねえ』としばらく3人で見入ってしまい、いけね時間時間、と旦那さんは今日も今日とて出勤していきました。


『あんたの旦那になる人ってどんな人がなるんだか全然想像つかないんだけど。』友達がよく言っていたけれど、こんな人が旦那さんになりました。