夏休みの思い出

未だに謎なのが小学校の同級生だった『家に1mの磁石をもつサトミちゃん』のことです。サトミちゃんはあまり人気のある子ではなかったんですけど、そんなサトミちゃんがある日皆で遊んでいる公園にやってきて『私の家には1mの磁石がある』と言い出したのです。お父さんが仕事に使うとか。1mの磁石なんか家に置いておいたら、すべての電化製品が狂っちゃうじゃん、とみんなに突っ込まれるも、それでも『ある』の一点張り。『じゃあ見に行ってもいいのね?』『いいよ!くればいいじゃん!』とお互いキレ気味で約束を取り付け、放課後5人くらいでサトミちゃんの家へ。行くと心なしかウキウキな感じでサトミちゃんの母様が『いらっしゃい』と迎えてくれました。


さて1mの磁石はというと、サトミちゃんいわく『お父さんが持って行ってしまった。』というので見ることは出来ませんでした。ならじゃあお邪魔しててもしょうがないよね、とさっさと帰ろうとしたところ、ものすごい勢いで『みんな、ホットケーキ焼かない?ね!焼いて食べましょうよ!』と母様が引き止めてきて、子供ながらに断るのもできず、言われるままホットケーキを焼く事に。その間もサトミちゃんと母様はすごく楽しそうで、もしかしてただ人を家に呼びたかっただけか?でもそれはサトミちゃんが嘘つかなきゃ解決する問題なのになあ、嘘つくんだもんなあと思いながら食べて帰ってきました。『またいらっしゃいね』と母様に見送られて、何しに行ったんだろうと全員しっくりこないまま帰りました。


翌日また公園で遊んでるとサトミちゃんが来て『ほんとは1mの磁石なんて無いんでしょう?』と昨日のメンバーでサトミちゃんに聞き返すと『あるの。ほんとはあるんだけど、無いの』と言っていたのに、最後はごめん嘘をついてたとやっぱり言うサトミちゃん。そして『ほらー!なんでそんな嘘つくのよー?』とみんなに責められるサトミちゃん。しかし彼女の口から次に発せられた言葉は『ほんとは弟が10kgのコアラのぬいぐるみを持ってるの』という衝撃的なものでした。意味無いじゃんと突っ込まれるも、それでも『ある』の一点張り。『じゃあ見に行ってもいいのね?』『いいよ!くればいいじゃん!』とまたお互いキレ気味で約束を取り付け、じゃあ行こうぜと動き出したところでサトミちゃん『あの、昨日の人達は来て欲しくないの』とワケのわからない条件を出してきたのでした。


翌日、当日行ったメンバーに聞くとやはりぬいぐるみは家に無く、帰ろうとしたところを必死に母様に引き止められ、言われるままにホットケーキの粉をこねて、ドーナツにして食べて母様に見送られながら何しにいったんだろうと思いながら帰ってきたとのこと。このほかにも何個か同じようなネタ振り*1で家にいくと何かしらの理由でモノが無くて、何かご馳走になって帰ってくるしかもすっきりしない気持ちで、というのがあって大人になった今でもイマイチ当時のサトミちゃんの気持ちがわかりません。よいこのおともだちは素直に遊ぼうって言おうよね。

*1:光ゲンジのカーくんと親戚で一緒にとった写真とかわくわく動物ランドの限定折り紙があるとか