初めてのオフ会

雨なのでぽんやりしてたら、ナツカシ話を思い出した。
もう随分昔の話になりますが、ある掲示板で沖縄に住む仲間が都内
に遊びに来ると言うので、オフ会をやる事になったんです。
で、私もずーっと仲良くしてたんで、参加することにしましたの。


だんだん予定日に近づくにつれ、なんと!メンバーとして皆から
『恋愛の師匠』と呼ばれるくらい恋愛相談にめっさいいアドバイス
するOさんが参加するって言うじゃないですか!うわー!


もうどんな人か楽しみで楽しみで、彼の話を聞く限り、想像上は
絶対カッコいいハズなんです。相手にそのくらい夢を持たせる
くらいの人ですから、そんな人がリアルに参加してくるって事は、
こちらの期待を裏切らないだけの人なハズなんですよ。
すっごい勝手なこと言ってますけど。


で、当日待ち合わせ場所に行ったんです。私はそこへ行く途中に
家が近所の仲間と落ち合って向かってて、待ち合わせ場所にたむろ
してる彼らを遠巻きに見ながら「あの人が多分、○さんかな?」
なんて誰が誰だ〜なんて、ほのぼのちょっと見てたんです。
大体その掲示板て年齢層が若い連中が多かったと思うんですけど、
一人あからさまにおっさんが居るんです。ちょっと離れて。


そのおっさんときたら、申し訳ないんですけど髪薄くて体格プヨっ
てんです。セカンドバッグ持ってんです。


あ・・・あのおっさんは?
まあ、とにかく集まりに近寄っていきました。


改めて一人一人自己紹介しあったんですけど、おっさんの番になっ
ておっさんが「おっさんでーす!」って声張り気味に言うんです。
「えっ?えっ?」ってひるんでたら、ちょっと投げやりに他の人が
「師匠。」と教えてくれました。そんなーーーーーーーーーーー。


そのおっさんが、あの師匠なんてありえないんです。参加者の中に
は「ヤツの妄想に俺は感心して聞いてたのか」とか「あれだけ説教
されたのはなんだったんだ」とかこっそり怒ってる人もいるし。


そんな事もお構いなしに会場となった飲み屋では乾杯の挨拶?として


「クソ共、飲め!!」


とか言われてなにソレ?なにコレ?オフ会ってこんななの?
・・・おっさん以外、お店の人込みでひきまくり。


でもですよ。そんな風にびっくりもしたんですけど、そういう人って
ものすごく皆のために動いてくれるんですよ。みんなのお酒に気を
配ったり、急に花火やりたいとか誰かに言い出されたら、真っ先に
街中のお店回って用意してくれたり。


花火始めたら率先して筒モノの火付け役になってくれて、そのあいだ
ほかの皆で手持ち花火して親睦を深めてかなり仲良くなったりして、
おっさんが手持ち花火に手を出す頃には線香花火しか残ってなかった
りするんです。



で、帰りも結構早めに帰っちゃって、なんかそんな姿を見て良い時間を
ありがとうと確かに感謝してたんですけど、おっさんを見送りながら皆
が皆「ありえねえ。」「ありえないよ」って若さゆえにどうしてもやっぱり
何か彼を許す気になれなかった僕らがいたの。あの日の僕らが。



ああ。今思い出しても切ない。あれからオフ会には参加していません。