どうぞかわいがってあげてね

お客さんでやたら『もうなかなか飲まなくてねえ、だって味が甘いんだもの』とかなんとかケチつけながら毎回買ってくれる人がいて、とても有難いのですがこちらも訪問の度あまりいい思いをしていなくて、かといって行かないと『アナタ先週来なかったでしょう』と言われるので、いっそもう来ないでって言ってくれればいいのに・・と願っていたのですけれど、とうとう今日お断りして下さいました。その理由が『ウチの孫がアナタのところの飲み物を開けたとたんにね、もう飲まないで流しに捨ててしまうのよ。』というものでした。それはウチのせいではなく躾の問題ですよね・・と頭では突っ込みつつ『そうですか。今までご利用ありがとうございました』と帰ろうとすると『でも、せっかく来て下さったんだからコレだけ買います。たぶん余っちゃいますけれど。で、今後はもう来ないで下さい。』と今日も今日とて買ってくれました。

また他の御宅にいくと『まだ前回買ったのがたーくさん、もうね、残ってるんですよう』と満面の作り笑いをしながら毎週おっしゃるんですが、かれこれ『今日はいかがですか?』『そうですね、今日はもらっておきましょうか?』と質問に質問で返されて、それはご自分で決めてくださいと思ったその日から察するところ、その商品は賞味期限日から1ヶ月が経ちました。

この飲み物の仕事は、”仕入れ”という形で一度自分で買い取ってそれをお客様に売るというものなのですが、新聞屋さんのように契約したお家に届けるわけでなし、ある日ある時、今日はいかがですかとお声かけをして買って頂いたお客様のお家にとりあえず毎週立ち寄らせていただいて、買いたいときは買ってもらえばいい『お家まで来てくれる飲み物屋さん』なので、売る前にワタシが買い取ることなんていうのはお客様からしたら知った事ではないと思うのですが、ワタシのかわいい商品たちをどうぞ大事にしてあげてね、と思います。世の中、期限切れのものでも無駄にしないで使う人がいれば、期限がたっぷりあるものを期限切れさせて無駄にしてしまう人もいるのです。