おにいちゃんのきもち

私は一人っ子なのだけど、うちの旦那さんには弟さんがひとりいます。
付き合いだした当時に旦那さんが中学生の頃を最後、以降、今に至るまでその弟さんと一言もクチを聞いていないんだと聞かされていて、同じ屋根の下にいてそんなことができるのかしらと半信半疑でした。そのうち実家にご挨拶へ行く事になりまして弟さんと会うことになるのですが、同じ空間に居ながら兄弟揃って見事なまでに目も合わせなければ会話もしないのです。2人ともお義母さんか私を通さないと会話しないんです。これはきっとトルシエの仕業だと思いました。


『たぶん、オレがいじめたからだよ』と旦那さんは笑いながらしゃべらない理由を言います。私はこの2人の関係をネタ話としてよくからかっていたりしていたのですけれど『2人しかいないんだからココは兄から話かけるとかしないと』とやっぱり気になるので言いましたら『解ってるけど今さら何を話していいか解んない』と旦那さん。『昨日弟さんの部屋から呂布のテーマ*1聞こえたよ』とキッカケになるような情報を流すも『ダメだ俺、陸遜だもん』『私だって大喬じゃんつか関係なくない?』となんくせつけて喋ろうとしないご様子。


そんなこんなしているうちに弟さんの就職が決まったとお義母さまから聞いて、なにかお兄ちゃんとしてはお祝いとかしてあげたらいいんじゃないの?と言うも、旦那さんはゲームしながら『そうだねえ』というだけで目の前の敵を倒す事に夢中でうわの空な返事が返ってくるだけでした。このタイミング逃したら後無さそうなんだけどなあ・・。と1人で心配していたところに、なんと弟さんから就職するにあたって研修がてら上京するとの事で旦那さんを頼る電話がありました。なんとなんと十何年ぶりの長い会話です。


旦那さんは普段より声がうわずっていて、でもなんだか偉そうに用件について打ち合わせしておりました。私と初めて電話で会話した時より丁寧で、私は隣で笑いをこらえるのに必死でした。用件が済んだのか電話を切ったとたんに旦那さんは『あーーー緊張した!!!』と倒れこみ『あいつ敬語でやんの』と笑い出し、私も爆笑してしまいました。娘もニコニコして旦那さんの傍で踊り出しました。『用件済んで時間あったら2人でお茶してきたら?』と提案しましたら『そうだねえ』となんだか嬉しそうにしておりました。それで今日の昼間にそのことで弟さんと会ったらしく、先ほど『済んだ。で、お茶した』とメールが来ましたので『よかったねえ』と返事をしましたら、ちょっと間をあけて『メアドも聞いた』と返ってきましたので『おまえら付き合っちゃえよ』と返しておきました。



それから『でもねえ、いつか役にたってやりたいと思ってた。』つう、たぶん弟さんにはお兄ちゃんから一生届かないメールもいただきました。いいなあ、兄弟がいるって。

*1:※ゲーム『三国無双』