暴走族の高年齢化進む(時事通信)

最近は暴走族OBさん方が旧車会とかいう集まりを作って走ってるらしいです。場所によっては未だにものすごい数で走ってるんでしょうか。ん、最近ゴッドファーザーをBGMに独りでふかして走ってる人も見なくなりましたね。変わりにパープーってBGMに独りで車引いてる豆腐屋さんをよく見かけます。あれもあれで時にうるさいものですよ。


暴走族といえば高校の同級生にいたちょっと素行の悪かった小林くんを思い出します。


彼とは同じ美術部だったのですが、美術部とか園芸部って先生がとりあえず無理くり素行の悪い子を指導したつもりで在籍させる事がよくあって、小林くんもそういう経緯で入部した人だったのですけど、部屋にはよくきて居たんです。とくに何するでもなくそこらへんでマンガ読んでて、気がつくともう居ないみたいな人でしたから全然話す機会も無いし、たとえ同じ場に居合わせたとしても小林くんは風の噂に聞く武勇伝とか的場浩二にそっくりな強面だったのもあって、私といえば『平たく学校生活を送りたい』人でしたから、話す事はまずありません。ただ、その当時私は美大への進学を希望していて顧問の先生に相談をする事が何度かあり、その近くで小林くんがマンガを読んで居る事はよくありました。


ある時私が進路に悩んで先生に相談しながら泣いてしまった事があったのですが、その時もやはり小林くんはいつもと同じ場所でマンガを読んでいました。私が泣きながら話を終えた時に、先生ではなくて小林くんが話し出したのです。『いやでもさ、悩めるだけシアワセだと思うよ』と。そこで初めて私は小林くんの声を聞きました。『俺なんて家族の環境悪いし、自分もこんなだから進路悩むなんてないけどさ、自分がやりたい事あんならやんなよ。それに手を貸してくれるのが普通の親なんだろ?うちではありえないけどさ、親とちゃんと話したらいいと思うよ』と言ってくれたのです。びっくりしました。どうも今まで話を聞いてくれてたらしいんです。勝手に聞こえてきてただけなんだろうけど。


それから私は親と話をして、結局美大ではなく服飾の専門学校に進学したのですけど、小林くんの言葉がなかったら美術系の進路を諦めて普通に文系いってOLやってたかもしれないです。小林くんは私とのその話があった頃に学校では『暴走族に誘われてるらしいけど断ってるみたい』って噂があって、最終的には卒業の時期には断りきれなくて暴走族に入ってしまったと聞きました。


結局小林くんはものすごいダメダメな人なんですけど、それでも当時はすっごい勇気付けられたし『素行の悪い人』とか『問題を起こさない人』とかカテゴリーで判断しちゃいかんな、と当たり前の事をその時に思ったぐらいお嬢だった私も負けずに倍率ドンさらに倍でバカだったわけでして、お陰でそれから今に至るまで、他人の口から良くない話が出るような人から本音を聞かされる事がよくあります。
そのたびに話ってのはどっちも聞いてから判断しないと解らないものだなあ、と気をつけるようになったのは自分でも良い事だなと思っています。でもだからってあの人は解ってくれるからと粘着されるのは苦手。


ありがとう小林くん。つか変換めんどくさいから旧社会でいいじゃん。